令和4年度「学校いじめ防止基本方針」
平成26年4月1日 作成
令和6年4月1日 改訂
1.本校におけるいじめ防止のための目標
いじめを生まない土壌づくりのために
- 生徒が、自分のいのちや人権を大切に、またまわりの人々も自分と同じ尊い存在であることを知る教育を実施する。
- 生徒、教職員が互いに認め合い、支え合い、助け合う関係を築く。
- 生徒の小さな変化に気づくために、学校、家庭、各関係機関が連携できる関係を築く。
2.いじめの未然防止
生徒がいじめ行為に向かう原因を考え、それを解決していくことはいじめを未然に防ぐこととなる。友人関係のストレス、学業不振による不安感・劣等感、また家庭環境の不安定さなど、生徒が抱える精神的な問題は多い。このような状況の中で生徒の自己有用感や自尊感情を高めることはいじめの未然防止のために必要である。そのためには生徒が安心できる場所・集団を提供すること、また授業や行事すべての学校生活の中で生徒の自主的活動を充実させ、生徒が多くの体験を重ねること、さらに、それらが互いに絆を深める機会となることは重要である。また、毎朝の祈りやCatholic Spirit(学校設定教科)でキリスト教的価値観に触れることで自らの使命に気づくこと、また将来を拓く力を育むことも重要である。いじめの未然防止のためには、学校内の環境整備が重要である。教室等を整理整頓し、清潔に保つことは、生徒自身の心の安定をもたらし、いじめが起きにくい環境づくりにつながる。
3.いじめの早期発見
(1)基本的な考え方
いじめは一部の特別な生徒にだけ起こるのではなく、どの生徒も加害者的立場・被害者的立場に立つことを認識する。また、同じことがらでも生徒によって受けとめ方が違うことも認識する。その上で生徒の動向を観察すること、また日頃から教師間での情報交換が重要である。
(2)いじめの早期発見のための措置
- 生徒に対して、QUアンケートやいじめに関するアンケートを実施し、生徒の状況を把握する。
- 全教師に対して、いじめ早期発見のための教師用チェックリストを実施し、生徒の状況を把握する。
- 担任と生徒の個人面談を実施し、生徒の状況を把握するとともに信頼関係を構築する。
- 日番教師は全教室を点検し、担任に状況を報告する。環境整備の不備の報告を受けた担任は、教室の環境整備に努める。
4.いじめに対する措置
(1)基本的な考え方
いじめを受けた生徒、いじめの情報を伝えた生徒を徹底して守るとともに、いじめに関与した生徒はもちろん同学年同学級の生徒全員に対して、適切なサポートおよび指導を行う。
(2)いじめの発見・通報を受けたときの対応
- 担任、または、学年の教師(複数)でいじめを受けた生徒、およびいじめに関与した生徒に対し、事実確認を行う。(事実を確認する際、必ず教師は複数で対応する。)
- 直ちに、学年(学年主任、生徒指導担当)で情報を共有し、生徒指導部長 → 教頭 → 校長に早急に報告する。
- 学年(状況に応じて学年外の生徒指導担当)で、関係する生徒から話を聞き、正確な状況を把握する(事実を確認する際、必ず教師は複数で対応する)。
- いじめ対策委員会を召集し、関係生徒、保護者への対応・指導方針を決定する。
(3)いじめられた生徒及びその保護者への支援
- いじめられた事実(それに関わる状況もあわせて)を確認する。その際、本人の話を傾聴する姿勢を忘れない。
- 本人のつらい気持ちや不安感に共感し、解決するまで必ず寄り添うことを伝える。
- 解決への希望が持てるように配慮する。
- 保護者への説明は、発覚したその日のうちに家庭訪問を行い、直接会って把握した事実を正確に伝える(事前に電話連絡を行うこと、また家庭訪問は複数の教師で行うこと)。
- 本人に話を聞いた日は、1人で帰宅させないように、保護者に迎えに来ていただくよう、保護者と相談する。
- 保護者の気持ちにも寄り添う。
- 家庭と連携をとり、解決するまで全力で取り組むことを伝えることで信頼関係を構築する。
- 必要に応じて、外部の専門機関と連携し、長期的な見守りを実施する。
(4)いじめた生徒への指導およびその保護者への助言
- いじめに関して、自分の行為が相手に対してつらいものであったことを理解させる。また、理解できた際は、そのことが本人にとって大きな一歩であること、価値があることを伝える(自分の行為を認めることから指導が始まる)。
- いじめた気持ちや状況など、冷静に聞くとともにその行為に至った背景にも目を向ける。
- いじめは他者の人格を傷つけ、生命や身体を脅かす行為であり、人として決して許されない行為であることを理解させる。
- 保護者に把握した事実を正確に説明し、いじめられた生徒や保護者のつらい気持ちや不安な気持ちを伝えるとともに、解決に向かって連携することをお願いする。
- 学校の指導方針を理解してもらい、学校の方針に沿った家庭での指導を依頼する。
- 生徒の根本的な原因を解決するために、今後も家庭と連携することを伝える。
- 必要に応じて、外部の専門機関と連携し、長期的な見守りを実施する。
(5)いじめが起きた集団への働きかけ
- いじめは決して許されない行為であることを学校全体、学年に示し、周りで囃し立てたり見て見ぬ振りをしたりする行為も、いじめを肯定していることである、ということを理解させる。
- いじめを訴えることは勇気ある行為であり、人を守るための尊い行為であることを伝える。
- いじめを受けた側(本人・保護者)の了承を得る。
(6)ネット上のいじめへの対応
- 書き込みを確認した場合、直ちに掲示板のアドレスを記録し、書き込み内容を印刷して保管する。
- 速やかに掲示板の管理者、またはプロバイダーに削除依頼をする。
- 必要に応じて警察に相談する。
- 全生徒の保護者に対して、年度始めの保護者会において家庭のネット環境や生徒の利用状況を把握してもらうようお願いする。また、家庭で利用に関する約束を作り、生徒が被害者的立場、加害者的立場のどちらにもならないように、管理をお願いする。
※日頃より、実名やその人と特定できる内容で悪口や誹謗中傷することはいじめ行為であり、許されないことであることを指導する。
※ネット上での行為は本人の意思とは関係なく広がり、収拾がつかない結果となることを理解させる。
5.重大事態への対処(いじめ防止対策推進法・第28条関係)
重大事態とは、次にあげる場合をいう。
- いじめにより当該学校に在籍する児童生徒等の生命、心身または財産に重大な被害が生じた疑いがあると認めるとき。
- いじめにより当該学校に在籍する児童生徒等が、相当の期間学校を欠席することを余儀なくされている疑いがあると認めるとき。
- 「いじめにより」とは、上記1.2に規定する児童生徒の状況に至る要因が当該児童生徒に対して行われるいじめにあることをいう。
- 「生命、心身または財産に重大な被害」については、いじめを受ける児童生徒の状況に着目して判断する。
- 児童生徒が自死を企図した場合
- 身体に重大な傷害を負った場合
- 金品等に重大な被害を受けた場合
- 精神性の疾患を発症した場合
- 「相当の期間」については、不登校の定義を踏まえ、年間30日を目安とする。
※「いじめ防止対策推進法第28条」および「いじめの防止等のための基本的な方針」から抜粋
(1) 重大事態の発生と調査
- いじめ対策委員会(必要に応じてスクールカウンセラー、養護教諭、スクールソーシャルワーカー)を召集し、いじめの概要を把握し、今後の計画を立てる。
- 生徒指導部および学年で、速やかに事実関係を明確にするための調査を行う。なお、アンケート等については、いじめられた生徒または保護者に提供する場合があることを調査対象者に説明すること。
- 発生報告については、福岡県人づくり県民生活部私学振興・青少年育成局私学振興課を通して、県知事へ行う。
(2) 調査結果の提供および報告
- 調査を行った関係生徒および保護者への情報提供を行う。→ 説明内容:①いつ、②誰から、③どのように行われたのか、④学校がどのように対応したか
- 調査結果については、福岡県人づくり県民生活部私学振興・青少年育成局私学振興課を通して、県知事へ行う。
6.いじめの解消
いじめは、単に謝罪をもって安易に解消とすることはできない。いじめが「解消している」状態とは、少なくとも次の2つの要件が満たされている必要がある。ただし、これらの要件が満たされている場合であっても、必要に応じ、他の事情も勘案して判断するものとする。
(1)いじめに係る行為が止んでいること
被害者に対する心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む。)が止んでいる状態が相当の期間継続していること。この相当の期間とは、少なくとも3ヶ月を目安とする。ただし、いじめの被害の重大性等からさらに長期の期間が必要であると判断される場合は、この目安にかかわらず、学校の設置者またはいじめ対策委員会の判断により、より長期の期間を設定するものとする。
(2)いじめられた生徒が心身の苦痛を感じていないこと
いじめに係る行為が止んでいるかどうかを判断する時点において、被害生徒がいじめの行為により心身の苦痛を感じていないと認められること。被害生徒本人及びその保護者に対し、心身の苦痛を感じてないかどうかを面談により確認する。
いじめ解消に至ってない段階では、被害生徒を徹底的に守り通し、その安全・安心を確保する。いじめ対策委員会においては、いじめ解消に至るまで被害生徒の支援を継続するため、支援内容、情報共有、教職員の役割分担を含む対策プランを策定し、確実に実行する。
(3)いじめた生徒への事後指導
いじめた生徒へも引き続き、事後指導を行う。いじめた生徒が抱える問題など、いじめの背景にも目を向け、当該生徒の安心・安全、健全な人格の発達に配慮する。また、いじめの状況に応じて、心理的な孤立感・疎外感を与えないよう特別な指導計画を立てる。自ら行為の悪質性を理解し、健全な人間関係を育むことができるよう成長を促す。
7.いじめの防止等の対策のための組織
(1) 組織の名称 (構成員)
- 定例いじめ委員会(校長、教頭、生徒指導部長)
- いじめ対策委員会(校長、教頭、生徒指導部長、特別支援コーディネーター、学年主任、学級担任、養護教諭)
- 拡大いじめ対策委員会(いじめ対策委員会メンバー、および生徒指導部員、校務部長)
(2) 組織の構成員
教職員 | 職名 | 校内での役職名 | 氏名 |
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校長 | 校長 | 大谷 紀江 | |
教頭 | 教頭 | 森田 珠妃 | |
教諭 | 生徒指導部長 | 石松 祐二 | |
特別支援教育コーディネーター | 見村 さち | ||
学年主任 | |||
学級担任 | |||
必要に応じて要請 | 養護教諭 | 井上 里紗 | |
スクールカウンセラー | 長﨑 聡美 | ||
スクールソーシャルワーカー | 山本 拓哉 |
(3) いじめ防止のための年間計画(※変更の可能性あり)
いじめ未然防止の取り組み | いじめ早期発見の取り組み | |
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通年 |
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4月 |
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5月 |
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6月 |
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7月 |
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8月 |
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9月 |
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10月 |
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11月 |
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12月 |
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1月 |
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2月 |
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3月 |
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- 年間を通して、生徒会や委員長会を中心に生徒の自主的活動を実施する。その際、教師は生徒の活動をサポートする立場を忘れない。
- 1年を通して生徒指導部会を開催し、各学年より生徒の状況を報告し、回覧により全教師が共有する。
- 1学期に実施するQUアンケートは「学級の中でいじめや悪ふざけを受けていないか」「学級内で認められているか」「他者との関係性」など学級内での居心地のよさや生活意欲など、生徒の状況を知る手段の1つとして実施する。
- 2学期に実施するQUアンケートは、1学期のアンケートと比較し「学級の中でいじめや悪ふざけを受けていないか」「学級内で認められているか」「他者との関係性」など学級内での居心地のよさや生活意欲など、生徒の状況を知る手段の1つとして実施する。
- 年3回実施するいじめアンケートは、教師に対して実施する早期発見チェックリストの結果とあわせて、2週間以内に生徒指導部会で全教師に共有される。その後、直ちに教頭を通して校長へ報告する。その際、各学年より、学年を越えて見守ってほしい生徒のリストもあわせて提示する。
- 生徒の欠席が続いた場合、担任は学年主任に報告(学年生徒指導部担当から生徒指導部長へも報告)し、その背景や本人の状況を把握する。また、必要に応じてケース会議を実施する(連続欠席7日を目安とする)。なお、ケース会議を実施した場合は、教頭を通して校長へ報告する。
- ケース会議は、出来るだけSCやSSWが参加できる日程で組み、副担任や部活動顧問、学年団など積極的に多くの先生が加わって実施することで、校内研修の代わりとする。
- 日番の教員が放課後、校舎内を巡回し教室環境を確認する。必要に応じて担任および学年に報告する。